メッセージ文化論

デジタルもアナログもメッセージについて

娘の手紙は大事な愛情表現

私は母子家庭だったので、家に帰ってもいつもひとりでした。

母は毎日、チラシの裏や使用済みカレンダーの裏などに「おかえり。宿題やってね。」など、手紙を残してくれました。

私が結婚して家を出るまで、その手紙は続きました。

いま、私には娘がいます。私が不在にするとき、娘は近所に住む母のところに帰ることにしてました。着替えとおやつをトートバッグに入れ、「おかえり」のお手紙も一緒に入れるようにしました。

母はすでに他界し、娘も中学生になったいま、ひとりで帰宅する娘のために、私はほぼ毎日手紙を書いています。メモ程度の短い手紙ですが、娘お気に入りのぬいぐるみに持たせるようにして、玄関先に置いておきます。

思春期&反抗期まっただなかの娘がどう思っているのか、はたしてわかりません。私と入れ違いに娘が塾に行くこともあるのですが、娘はめったに「お返事」をくれません。

ごくたまに、かわいい便せんやメモ用紙で「宿題やったよ」「洗濯物いれといたよ」「自転車借りるね」など、なぐり書きのような手紙を置いていってくれることもあります。面倒くさそうな文字ですが、とてもうれしくて、ぜんぶとってあります。私にとっては大事な愛情表現のひとつです。